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がん薬剤の種類③ ~分子標的薬
細胞のがん化などに関わる遺伝子やタンパクを目標とする従来の抗がん剤とは異なる薬です。
「トラスツズマブ」などの抗体製剤は、がん細胞の増殖に関わる受容体に結合するもので、受容体によってどの薬剤が結合するかが違います。
「イマチニブな」どのシグナル伝達阻害剤は、がん細胞が増殖時に出すシグナルが伝わるのを妨害する薬です。
「ソラフェニブ」などの血管新生阻害剤は、がん細胞が新しく欠陥を作り出すことを作用を抑えます。
そのほかの分子標的薬
「ボルテゾミブ」はプロテアソーム阻害剤と呼ばれ、これによって分裂周期を乱されたがん細胞は細胞死します。
「ビタミンA誘導体」はがん細胞の遺伝子の働きを抑制する白血病の治療薬です。
薬物療法の種類
たいてい薬物療法では、複数の抗がん剤を同時に使用する多剤併用療法が用いられます。これには、多角的にがん細胞を攻撃できたり、薬に対する体制がつきにくくなるという長所があります。
多剤併用療法は普通大腸がんに対するFOLFOX(レボホリナートのFOL、フルオロウラシルのF、オキサリプラチンのOX)療法のように、使用する薬剤によって名前がつけられていますが、がんによって治療名が異なる場合もあります。
局所療法としての薬剤
普通全身療法としておこなわれる薬物療法ですが、肝動脈内注入化学療法、腔内化学療法など局所療法としておこなわれる場合もあります。ただし、これらは科学的根拠が乏しくあまり行われなくなっています。