薬物療法のプロ・腫瘍内科医とは?
今までは外科医が行っていた抗がん剤の処方ですが、近年次々と作られる新しい薬や複数の薬を合わせて使う多剤併用療法など薬物療法が複雑化しており、外科医では対応が難しくなっていました。そこで、そうした複雑な薬物療法の専門医として誕生したのが主要内科医です。
日本ではがん薬物療法専門医を認定する仕組みが2006年から始まりましたが、米国などと比べるとまだまだ人数が不足しています。
さまざまながん薬物療法の専門職
がんを専門に扱う職業は医師だけではありません。1996年からがん看護専門看護師、1997年からがん化学療法看護認定看護士、2006年からはがん専門薬剤師が資格を認定され活躍しています。
薬剤の開発で投与法や剤型も進化
静脈から点滴などで入れられることがほとんどだった抗がん剤ですが、最近では飲み薬も増えてきました。
なかにはナノテクノロジーを使った、患部に届いたら壊れるような特別な微粒子で薬を覆ったプロドラッグと呼ばれるもののような、 がん組織だけに効果を与えるように工夫された薬も作られています。がん組織だけを狙うことにより治療の効率が上がり、また副作用を抑えることが期待できます。
投与法の長所と短所
静脈内注射は入院するか通院が必要ですが、狙った分量を体内に入れることが出来ます。逆に経口投与は自宅での服用が可能ですが吸収率に個人差が出るためどのぐらいが体内に入ったのか正確にははわかりません。