がんとは何か
がんは遺伝子の病気とされる。もともと正常な細胞であったものが、何らかの刺激を受けることで遺伝子的に突然変異が起こり、それによって正常な細胞ががん細胞に代わり、倍々に異常に分裂増殖する。これが基本的ながんのメカニズムである。
転移をして増殖する
もちろんがんは急激に起きるものではなく、免疫機能やがん抑制遺伝子との戦いを繰り返しながら、長い時間をかけてゆっくりと増殖し、あるときを境に急激に増殖をはじめる。そして、ある程度の集団になるとそれらの細胞群がばらばらになり、血液やリンパ液に乗って場所を変えて定着して、更なる増殖を始める。これを転移という。
がんの原因は何か
遺伝子に突然変異を起こさせる物質や素因を「誘因要素」や「誘発因子」という、いわゆる「発がん物質」と呼ばれるものである。その中にはタバコ、工場や車から出る硫黄酸化物や窒素酸化物、食品添加物、各種薬物、ストレス、放射性物質、高圧電磁波、過酸化脂質、農薬、洗剤に含まれるノニルフェノール、プラスチックの成分であるビスフェノールAやブタン酸エステル、PCB、ダイオキシン、水道水に含まれるトリハロメタン、活性酸素などなど、あげていけばきりがない。
また、乳がんに使われるトラスツズマブなどはがん細胞が増殖するときに出すシグナルを標的にすることからシグナル伝達抑制剤とも呼ばれています。
がんの原因を取り除くことは不可能?
一口にがんの原因物質といっても、その中には大きく分けて、直接がんを引き起こす「発がん物質」と、その発がん物質の効果を促進したり、宿主の免疫を弱めたりして間接的にがんを誘発するもの、という2種類ある。がんを間接的に発生させる物質に含まれない物質はないといってよいほどだ。